2012年10月20日

国民IDについて

やっと時間ができたので本を読むことにしました。

ご本人に直接いただいた本。



これです。

著者の八木さんはNRI時代からの知り合い。

OpenIDについても一緒に議論した間柄です。

今、共通番号制度というのが議論されています。
そこでは、全部同じIDで・・・という話が出ています。

それにバッサリと切り込んだ本です。

まぁ、よくわからずに進めると、大変なことになるということ。

言葉の定義を理解せずに、十把一からげに議論が進んでいることに懸念を投げています。

「ログインするためのID」と、「税と社会保障のID」と、「身元確認のID」が全部ごちゃごちゃになっているということ。

「セキュリティ」と「個人情報保護」と「プライバシ」もごちゃごちゃということ。

これ、皆さん、ちゃんと区別できますか?

下手すると、税金の超無駄使いになり、使えないシステムになっちゃう危険性が非常に高いんですね。

かなりIT寄りの記述もありますが、非常にわかりやすく書いていると思います。

八木さんも「ゴーストライター使わずに自分の手で書き上げた。」とのこと。
力作です。

ログインIDは使い慣れているので良いのですよ。
例えば、銀行のID、パスワードで入れるとか。
今の技術を使えば連携は可能なんです。
ただ、銀行がそのような認証業務をやれるかどうかの課題はありますね。
あと、認証局に対する監査機関の整備。これは必須。

全部一つのIDにしてしまうと、プライバシーの問題も出てきます。
韓国では、なりすましも出ているとか。

つまり、表に見えているIDと内部の税と社会保障のIDは連携していれば良いわけで、見せる必要はないということです。

セキュリティはデータを守るための方式
個人情報保護は預かる側の対応
プライバシーは預ける側の考え方
なんです。
これが上の答え。

物事をきちんと定義からおさえることは非常に重要です。

これをわかったつもりでやると、全く議論が噛みあいません。

これ、日本語では非常に多く起きます。とかく定義が曖昧な言葉ですからね。

posted by minoru at 00:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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