ご本人に直接いただいた本。
これです。
著者の八木さんはNRI時代からの知り合い。
OpenIDについても一緒に議論した間柄です。
今、共通番号制度というのが議論されています。
そこでは、全部同じIDで・・・という話が出ています。
それにバッサリと切り込んだ本です。
まぁ、よくわからずに進めると、大変なことになるということ。
言葉の定義を理解せずに、十把一からげに議論が進んでいることに懸念を投げています。
「ログインするためのID」と、「税と社会保障のID」と、「身元確認のID」が全部ごちゃごちゃになっているということ。
「セキュリティ」と「個人情報保護」と「プライバシ」もごちゃごちゃということ。
これ、皆さん、ちゃんと区別できますか?
下手すると、税金の超無駄使いになり、使えないシステムになっちゃう危険性が非常に高いんですね。
かなりIT寄りの記述もありますが、非常にわかりやすく書いていると思います。
八木さんも「ゴーストライター使わずに自分の手で書き上げた。」とのこと。
力作です。
ログインIDは使い慣れているので良いのですよ。
例えば、銀行のID、パスワードで入れるとか。
今の技術を使えば連携は可能なんです。
ただ、銀行がそのような認証業務をやれるかどうかの課題はありますね。
あと、認証局に対する監査機関の整備。これは必須。
全部一つのIDにしてしまうと、プライバシーの問題も出てきます。
韓国では、なりすましも出ているとか。
つまり、表に見えているIDと内部の税と社会保障のIDは連携していれば良いわけで、見せる必要はないということです。
セキュリティはデータを守るための方式
個人情報保護は預かる側の対応
プライバシーは預ける側の考え方
なんです。
これが上の答え。
物事をきちんと定義からおさえることは非常に重要です。
これをわかったつもりでやると、全く議論が噛みあいません。
これ、日本語では非常に多く起きます。とかく定義が曖昧な言葉ですからね。
【ビジネスの最新記事】